携帯電話やスマートフォンで格安SIM(MVNOなど)を利用しようとすると[音声通話対応SIM]や[データ通信専用SIM][SMS付きデータ通信SIM]などに分かれて販売されていますが、これは「電話をする」ができるかどうかの違いです。
通信の基本
携帯電話やスマートフォンにおいての基本は、音声であろうとデータであろうと「特定の相手に音やデータなどの情報を届ける」と言うことにつきます。これは通信と一括りにでき、大きく分けて音声通話/データ通信の2つの通信に分かれます。
音声通話
自宅や会社に据え置く固定電話(一般加入電話)を始めとして、携帯電話やスマートフォンなどでも行われる電話をするに該当し音声通話と呼ばれます。
音声通話は回線交換方式と呼ばれる方式が用いられており、電話を掛けた人と電話を受けた人を1本の線で接続するイメージです。

通話中は回線が占有されるので、別の誰かが電話を掛けてきても「つながらない」と言ったことがおきます(いわゆる“通話中”と言う状態)。このため、輻輳に弱く震災や災害などで利用が混雑すると「電話がつながらない」と言ったことが起きえます。
データ通信
パソコンやもちろん、携帯電話やスマートフォンで行われているインターネットをするに該当しデータ通信と呼ばれます。 「メールをする」「LINEをする」「YouTubeを見る」などの行為も該当します。
データ通信はパケット交換方式と呼ばれる方式が用いられており、データを小さなサイズに分割して相手に送付します。この小サイズのデータを送信しているとき以外は回線を占有しないため、1つの回線を複数のデータで共有することができます。

このため、混雑した状態でも通信可能である場合が多いですが、利用が集中すると通信速度が著しく低下する場合もあります。
できること/できないこと
前述したように音声通話とデータ通信は回線交換方式とパケット交換方式の違いがありますが、この方式によってできること/できないことに違いが生まれます。
音声通話(回線交換方式)
電話番号を使用した通信で、前述したように音声通話が含まれます。
ただ、勘違いしやすいのがショートメッセージサービスのSMSで、テキストメッセージの送受信であることからデータ通信と思いがちですが、これは回線交換方式を用いており電話番号のみでメッセージのやり取りが行えます。
格安SIMでデータ通信専用SIMとSMS付きデータ通信SIMが分かれているのはこのためで、スマートフォンのように音声通話が前提のデバイスでデータ通信だけだとトラブル(アンテナピクト/セルスタンバイ問題など)が発生することがあるため、SMS付きにして回線交換方式を使えるようにしています。
データ通信(パケット交換方式)
いわゆるインターネットを用いて行うことができるので多岐にわたり、「ブラウザでWebサイトを閲覧する」「メールをする」「LINEでメッセージを送受信する」「YouTubeで動画を見る」などが含まれます。
ただ、勘違いしやすいのがIP電話で、「LINEの無料通話」や「050から始まる電話番号」などは音声通話でありながらも「インターネット回線を使って行われている」のでパケット交換方式を用いています。
ちなみにVoLTEはパケット交換方式を用いて通話が行われるのでIP電話に当たりますが、通話料金は従来の通話(回線交換方式)と同様に計算され請求が行われることが多いです。
